中小企業を徹底的に理解し
オーナー経営者と二人三脚で
「成長の壁」に挑む
日本グロース・キャピタル

日本グロース・キャピタル株式会社
代表取締役社長
西野 貴司 氏

スモールキャップのバイアウトファンドとして圧倒的な投資実績を誇るのが、日本グロース・キャピタル(東京都中央区)である。年商数億円から数十億円の中小企業への投資にこだわりながら、ファンドを組成するたびに、規模を拡大してきている
前職時代を含め、十数年にわたってファンドを率いてきた西野貴司代表取締役社長に、いかに中小企業を見極め、そして、オーナー社長に寄り添い投資を成功させていくかについて、その秘訣を伺った。

資本の力を活用し、日本の中小企業の
事業承継と成長をサポートするという決意

――西野さんが、電通、アクセンチュア戦略グループを経て、バイアウトファンド業界に入った動機や経緯を教えてください。

大学を卒業した後、ファンド業界に入るまではマーケティングや経営・事業戦略の側面から企業を支援してきました。
一つのプロジェクトは、おおよそ数ヶ月間。さまざまな切り口のテーマを大企業の役員や事業部の方たちと丁々発止の議論を交わしながら、まとめ上げていく業務は楽しかったです。しかし次第に損益だけが検討の対象となっていることに物足りなさを感じ、キャッシュフローやバランスシートの効率化にも目を配りながら、全般的な企業価値の向上に関与したいという思いを持つにいたりました。

また、マーケティングや経営戦略は中期的に複数の要因が影響して結果が出てくるため、自らが立案した施策と、利益創出までの因果が明確に把握しづらいという側面があります。投資結果という数値によって、自らの判断の結果を客観的に認識することができるバイアウトファンドの業界で力を試してみたかったことも、30代半ばになってキャリアチェンジをした要因のひとつです。

――会社設立の経緯を教えてください。

私たちは前職の投資会社において、スモールバイアウトチームとして3号目のファンドを運用しており、私はそのチームリーダーでした。同社には2018年に新しい株主が資本参加したのですが、その際に3号ファンドと同じく国内の中小企業を対象としたファンドを設立したいという意向を示されました。社内に同じテーマのファンドが2本並立すると、ファンド間の利益相反が起こってしまうため、3号ファンドの全出資者の方々から同意をいただき、2019年の年初に事務所を永田町から八重洲へと移し、チームごと独立したというのが設立の経緯になります。

場所は離れましたが、前職の投資会社とは独立後も3号ファンドを共同運用するなど、友好的な関係を維持しています。

――独立したバイアウトファンドとなったことで、投資戦略など変化したところはありますか。

さきほどお話したような経緯もあり、投資会社としては独立しましたが、独立前後で運用を担っているファンドに変化はなかったので、年商5億から50億円程度の国内の中小企業(スモールキャップ)を主なターゲットとし、リスクが高くない投資を推進していくという方針に変更はありませんでした。

中小企業に特化した豊富な投資経験とハンズオン支援のノウハウ、そして中小企業のM&Aを手掛ける仲介会社の方々と良好な関係をもとに、安定したファンド運営を進められることが我々の強みなので、今後もこの部分にはこだわっていきたいと考えています。

――貴社の理念や日本グロース・キャピタルという社名に込めた想いを教えてください。

1997年に1号ファンドを設立して以来、日本各地で事業承継を模索している経営者の方々と面談を行う機会をいただき、事業承継に対する考えや会社の将来に期待することなどを伺うことができました。そこで感じたのは、経営者の方たちの「ただ事業を引き継いで欲しいのではない。自分たちだけでは実現が難しい、会社の更なる成長をサポートして欲しい」という切実な想いでした。

このような想いに応えるべく「資本の力を活用し、日本の中小企業の事業承継と、その後の継続的な成長をお手伝いしていく」という決意を込めた、というのが社名の由来になります。金融用語としては別の意味合いもありますが、訴えたいターゲットである経営者の方々へのわかりやすさを優先して命名しました。

スピーディーに検討できる体制を確立し
中小企業特有の問題に対し解決案を提示

――西野さんは、前職の時から現在にいたるまで、どのように投資すべき企業を目利きしてきたのですか。

経営者のお人柄、組織力、キャッシュフローとPL・BSのバランス、法務・労務・会計面で想定されるリスクなど、最終的な投資判断を下すまでに精査をすべき項目はいろいろとあるのですが、細かな数字の分析から入ると、「木を見て森を見ず」になりやすく、事業の本質的な利益構造やリスクを把握しづらいため、案件検討の初期においては、特に事業面に重きをおいて検討継続の可否を判断することを意識しています。

また事業を評価する時には、「なぜ儲かっているのか?」、「強みは継続するのか?」、「伸びしろはあるのか? その制約条件は何なのか?」の3点を中心にスピード感を持ってレビューをしていきます。

――他のファンドや事業会社と競合した際、売り手のオーナーからどういう理由で選ばれることが多いですか。

オーナー経営者の方は、一旦M&Aで会社を譲渡すると心を決めても、「取引先や従業員にはどう伝えたらよいのか?」、「譲渡をした後はどのように会社と接すれば良いのか?」、「次期社長は内部と外部招聘どちらが良いのか?」と、複雑な思いが胸の中に渦巻いていることが一般的だと感じています。我々は資本提携にいたるまで何回か経営者の方とお会いすることが多いのですが、特に最初の面談においては、胸の中にわだかまっている悩みをなるべく細かく把握するように努力しています。

また、不明瞭な株の変遷や労務に関する諸問題などは、中小企業にとって不可分なテーマであり、これらの存在を完全に否定してしまっては、なかなかM&Aが前に進みません。我々は中小企業との資本提携に特化しており、この分野に特有の問題解決に関して経験の蓄積があるため、弁護士や会計士などの専門家ネットワークを活用し、経営者が腹落ちできる提案を創りあげていきます。このような「経営者に寄り添って伴走をしていく」という弊社の姿勢を、売り手の経営者に評価していただくことが多いのかも知れません。

――貴社が投資する際、売り手のオーナーも一部株式を残す、いわゆる「二段階エグジット」などのインセンティブプランを積極的に提案しているのですか。

オーナー経営者は、会社を自分の子供のように大切に考えている方が多く、一つの区切りとして株を手放したとしても、M&A後も熱心に事業をサポートしていただけるケースがほとんどです。株式の新たな担い手としては、ありがたい限りなのですが、そこは百戦錬磨の経営者なので、資本提携の前後に「手を貸すだけでは面白くない。頑張るからアップサイドが欲しい!」という依頼をいただくことが多いのです。

このような依頼を受けた時のインセンティブに関しては、依頼者の意向を鑑みて、最適なプランを設計していくのですが、二段階エグジットはそのソリューションのひとつだと考えています。他にも、退職金の幅を上下させる、業績の達成度合いに応じて賞与として支払う、ストックオプションを付与してエグジット時にアップサイドを得ていただくなど、インセンティブの出し方は色々とあります。
これまでの経験を振り返ると、目標の達成度合いに応じて期末に賞与を支払うケースが多かったように記憶しています。

――投資検討時の意思決定のスピードを非常に重視されているように思います。意思決定のスピード故に投資できた事例があれば教えてください。

会社を取り巻く状況の変化にあわせて判断を朝令暮改することは、優秀な中小企業の経営者にとって必要な能力の一つだと思います。ただ、そのような判断に慣れている経営者は、売却の意向も突然変えてしまう可能性があります。我々の経験則では、案件検討の期間が当初の想定をこえて長くなった場合、成約までいたらなかったケースが多くありました。これに対応するため、意思決定を迅速にし、なるべく短期間で成約が可能なオペレーション体制を構築しています。

事業承継を考えている経営者の中には、「年末までに成約をして新年からは心機一転、新たなパートナーと一緒に頑張っていきたい」、「創立○○周年の記念日までには株式を売却したい」など特定の節目を大切にしている方も一定数いらっしゃいます。
ある建設会社の社長は自身の就任10年目が終わる進行期の期末までにM&Aを成立させたいと強く希望していました。しかし、興味を持っていた事業会社の検討はなかなか進まず、質問はたくさん来るものの、意向表明書がいつ出てくるのか読めない状況に業を煮やしていたのです。

このような状況を踏まえ、非常に厳しいスケジュールではあったのですが、ご本人の希望をかなえた上で期日に間に合うスキームを提案したところ、我々のスピード感を大変気に入っていただけたようで、弊社が独占交渉権を獲得し成約に結びついたケースがありました。
弊社では、デューデリジェンスにおいても、特定の専門家と連携し、調査内容をフォーマット化するなどして、スピーディーかつ質の高い調査を実施しています。

――投資の意思決定の質をあげるために心がけていることがあれば教えてください。

心がけていることは複数あるのですが、そのなかでも一番大切だと考えているのが、弊社が強みを持っている「業績が安定している中小企業への投資」以外には、手を出さないということです。

弊社には日々さまざまな案件がもたらされます。売上規模が大きい企業への投資案件、海外の投資案件、ベンチャー案件、そして再生案件などです。一見、同じ未公開株への投資という建てつけでもテーマが違えば投資の勝ちパターンは異なると考えています。弊社内で案件を初期検討する会議において、このような初見の案件にも取り組んでみたいという提案が出てくることはあります。また、世の中のトレンドである領域への投資は魅力的に見える時もあるのですが、自分達で勝ち筋が見えていないテーマへの投資は極力行わず、選択肢の数を絞ることによって判断の質を上げる努力をしています。

他には、すべての案件で、収集する情報を均一化するということです。検討の前提となる情報量を社内で統一することにより、担当者による情報量に差がでないようにしています。バリュエーションにおいても、すべての数字がそろうまでは、あくまで条件付きの判断とし、数字がすべてそろってから最終判断するようにしています。

さまざまな経営サポートを行った上で
経営陣の意向に沿う先にバトンタッチする

――投資先の支援体制について教えてください。

資本提携先の支援については、経営そして事業にかかわるすべてが、その対象となります。
製造業であれば、開発から営業までの事業プロセス、そして各プロセスに付帯している財務・人事・労務・法務など幅広いのですが、仮に開発という業務一つをとっても、研究者の採用、開発プロセスの改善や、特許に詳しい弁護士のご紹介などサポートが可能な事柄は多岐に渡っています。

そういった中でも最近は、人材採用を手伝って欲しいという依頼を受けることが多くなったように感じています。中小企業が採用を行う時の手段は、通常、ハローワークや縁故採用といった限られたルートが中心です。また、専業の人事担当者がいる企業は少なく、経営者みずからが手探りの状態で採用活動を行っているケースが一般的であり、採用活動はしているものの、とにかく応募者が集まらず苦労されています。

漠然と採用活動を続けていても、良い人材とめぐりあうことは難しく、欲しい人材の要件整理や採用手段の選定、そして人材紹介会社との適切なコミュニケーションなど気を配るべきポイントは多々あります。弊社では、すべての投資先のニーズを集約し、人材紹介会社と関係を強化し密にやりとりすることで、業態や地域毎の人材採用ノウハウを蓄積していっています。このような体制のおかげで、各投資先に適切な人材採用サポートを提供できることが多く、資本提携先の方たちから評価をいただいています。

――企業価値が大きく向上した事例について教えてください。

営業利益の拡大に短期間で成功したという意味で言えば、ロールアップのM&A戦略が功を奏した設計会社の事例が思い当たります。
設備関連の図面を作成するこの企業では、内部での事業承継を進める一方、人材採用のお手伝いもさせていただいていました。しかし、特定分野に特化した設計士は人数自体があまり多くないため、転職市場にも多くの人材が登録されておらず、十分な内定数の確保に時間がかかっていたのです。

そんなある日のこと、設計会社の社長より、「10年以上も取引がある東京の同業X社の社長が、事業承継がらみでM&Aに興味を持っている。多くの有能な設計士を抱えているので是非、グループに引き入れたい」と依頼がありました。

我々がX社の社長とお会いしたところ、「弊社は受け身で仕事をする癖がついてしまっている。2社が一緒になって積極的に営業をしていけば、必ず企業として伸びていけるはず!」と、熱い意気込みを伺うことができました。これは良いご縁になると判断した我々は、事業計画上のシナジー創出に関しては両事業会社、会計士・弁護士とのやり取りは弊社と分業をし、2ヶ月ほどの期間で成約にこぎつけました。その後、見込み通りX社の利益率は向上し、また資本提携後の約1年間でグループとして営業利益は2倍以上に増大しました。

――エグジットの方法として何か特徴はありますか。            

事業承継を考えている経営者の方とお話をさせていただくと、「ファンドの次は、どんなところに引き継がれるのか?」という懸念をお持ちになっている方も多くいらっしゃいます。

エグジットには大きく3つの方向性があるのですが、これまでの経験上、いちばん数が多いのが事業会社もしくはファンドへの譲渡で、新しい株主の人・モノ・金といったリソースを活用して更なる発展を目指していくケースです。2つ目は、株式市場に上場して多くの株主に株式を引き受けてもらう株式公開(IPO)。そして、3つ目は、従業員、または後継社長が株式を譲り受け、自分たちの企業として事業を続けていくマネジメントバイアウト(MBO)です。

IPOに関しては、公開可能な時期などマーケット環境に依存する傾向が相応にあり、不透明な部分も多いので、我々としては積極的には推進していません。もし資本提携の期間中に、経営陣の間に株式を公開したい意向が高まった場合には、それが得意な他ファンドへのバトンタッチを模索します。またMBOについては、これまでに実施をした事例は数件ほどです。

――投資先をエグジットする際に気を付けていることはありますか。

ファンドとして出資者の方々の期待を上回るリターンを提供することは、大事なことですが、買い手候補の企業が高い譲り受け価格を提示してきたからといって、経営陣が意図しない先に無理やり売却をすることは現実的に難しいです。なぜなら次の株主候補は、事業を一番理解している経営者と話をさせて欲しいという要望を必ず出してきますが、もしそこで経営者が、「相手先とは会いたくない。この案件は進めたくない」と面談を拒否したら、M&Aは先に進まないからです。

この状態を回避するためには、ハンズオンの経営支援でご一緒している期間中に、「どのような相手と手を組むことによって企業がさらに発展していくのか」を、経営陣と十分に議論することが大切です。経営陣の意向をよく理解してエグジット先を探していくことで、経営陣が事業シナジーを実感し、違和感なく一緒に仕事ができる株主へのバトンタッチが可能になるのです。

企業のビジョンの具現化をサポートし
ファンドとしても成長していく

――今後の投資先として特に注目している業界はありますか。

中小企業庁が提供している統計データなどを見ると、運輸業界や情報通信業界などでは、7割以上の中小企業が労働人材不足に苦しんでいる状況です。このような広義のインフラに関わる業界の人材不足は、日本社会の安定を将来的に脅かすリスクとなりかねません。また、外国から労働者を受け入れて人材不足を解消するとしても、一定の企業規模と受け入れ態勢が必要になるため、今後はこれらの産業に属する企業の合従連衡が不可避になってくると思われます。

ファンドは、これらの産業界のニーズに対しては、人員の採用やM&A支援といった面で、付加価値を出しやすいと考えているので、今後も関わりを持っていきたいです。

注目している業界がある一方で、特定の業種や地域に偏らず、投資先の業種や地域を分散させることも意識しています。特定業種に打撃を与える経済事象や特定地域の自然災害などは予測できないため、リスク分散の観点から、そのようにしています。

――貴社は、HPに開示している投資先より、はるかに多くの投資先があるとお聞きしていますが、多くの投資先を非公開にしている理由は。

ご認識されているように直近の数年間は、常時、数十社の資本提携先をご支援させていただいている状況です。

事業へのインパクトの大きさから、M&Aの渦中にある多くの経営者が、社内外へ資本提携の事実を告知する適切な時期に関して頭を悩ませています。このような心情に配慮し、特にHPのような不特定多数の人が見る媒体に、資本提携の情報を掲載することに関しては、売り手経営者の意向を伺った上で実施をするように気をつけています。結果として公表を嫌がる経営者の方が多く、限定的な数の資本提携先のみをHP上に掲載しています。

――将来的にファンド規模やプロフェッショナルの人員数はどれくらいにしたいと考えていますか。

2007年に1号ファンドの運用を40億円で開始して以降、年間の資本提携数の増加に伴って、次に組成するファンドの規模を拡大してきており、現在運用中のファンドは200億円強となっています。直近においても、年間の提携件数は増えてきているため、次号ファンドである6号ファンドは300億円前後の規模となることを想定しています。

これに伴い、現在14名の投資プロフェッショナルがいますが、今後数年間で毎年3から4名ずつ拡大していき、円滑にファンドが運用できるよう人材育成を先行させる予定です。

――どのような人材を求めていますか。採用時に特に重視しているポイントは。

弊社は資本提携先が多いため、若手の投資メンバーは出張が多く、日々、複数の中小企業のオーナー経営者や後継経営者とコミュニケーションを取りあっています。年が大きく離れた百戦錬磨の経営者の方たちから信頼を勝ちえ、胸襟を開いて話をしてもらえるような、フットワークがよく性格面で魅力のある人材を求めています。

一つの事業に依存した経営が主流の中小企業にとって、好業績を維持することは非常に骨が折れることであり、原価の高騰や、ロジスティクスの停滞などにより一瞬で事業環境は変化してしまいます。そして意図せず苦しい局面が来た時に、経営陣と良好な人間関係を築けていないと、お互いに忌憚のない意見をぶつけあい困難を乗り越えることはできません。

弊社のほぼすべての投資プロフェッショナルは、ファンド業界未経験で弊社に入社しています。M&Aのスキーム、法務や会計、経営戦略などのスキルは入社後も身につけられるため、社風へのフィットや人柄をより重視しています。

――今後の日本のバイアウト市場、特にスモールキャップの市場がどうなっていくとお考えですか。

日本の人口構造から考えると、「団塊の世代」の方々の事業承継がそろそろピークを迎える時期ですが、現在48から52歳ぐらいの「団塊ジュニア」が事業承継を終えるまでの期間は事業承継型のM&A数は安定して推移していくと考えています。

また昨今は、中小企業経営者の間にも「M&Aは事業拡大のために活用できる」という認識が広がってきています。生産年齢人口の減少に伴って、労働力の集約を目的としたM&A、ファンドでいうロールアップM&Aの数も増加してくると予想されるので、当面スモールキャップの市場は緩やかに拡大していくのではないでしょうか。

――日本の中小企業の経営者に対し、メッセージがあればお願いします。

これまでの経験を通じ、中小企業が成長する過程において、年商10億円、20億円、50億円といった壁が存在しているように感じています。これらの「成長の壁」については、複数の原因が相互に影響しているのが常ではありますが、経営者自身が「限界をつくっている主な理由」に気づいているケースも多いように見受けられます。例えば、新規事業の構想があるのだが、最近はいろいろと億劫になってしまい実行に移せていないとか、サービスや製品は優れていて顧客からの評価も高いのだが、忙しすぎて営業マンを採用している時間がないなどです。

私たちは、これまで多くの中小企業の経営をご一緒することによって、もし新規事業を立ち上げたいのであれば、その事業性をどう評価し、どう立ち上げれば効率的なのか。また、人材を獲得したいのであれば、どのような採用チャネルを使いメッセージを流せば採用の可能性が高いのかなどの現場での知見を積み上げてきています。

ファンドは決して「なんだか怖い存在」ではありません。ご縁があってパートナーシップを組めた折には、二人三脚で企業の土台を強化し、会社が育んできた歴史の先にあるビジョンを具現化するお手伝いをしたいと考えております。

(インタビュー日時:2023年9月27日)

日本グロース・キャピタル株式会社
代表取締役社長
西野 貴司(にしの たかし)

早稲田大学卒業後、株式会社電通、アクセンチュア株式会社戦略グループを経て、日興アントファクトリー株式会社(現アント・キャピタル・パートナーズ株式会社)に入社。その後、ACA株式会社に転籍し、ファンドマネジャーとして国内の中小企業に特化したファンドの運用を担当。2018年には日本グロース・キャピタル株式会社を創設。資本提携先企業の更なる成長に向けた経営支援を手掛ける。主な著作に『ファンドを活用する事業承継』(産経新聞出版)がある。仏HEC Paris経営学修士課程(MBA)修了。